★てぃんくる先生 版画への思い
2004年10月に初めての版画作品を発表して以来様々な挑戦を版画でしてきたてぃんくる先生。
版画の世界では日本のみならず世界初となる試みも様々行ってきました。
『版画に出会わなければ、ここまで細かい描きこみをするようにはならなかった』と
おっしゃられていた先生、だからこその版画への思いを改めて伺いました。
ー20年近くなる版画歴の中で、版画が先生に影響を与えたことはありますか?
まず、版画以外の商業では作品をこの大きさで制作することがないので、大きさを自在に描けることは
大きな魅力です。僕にとって、【大きく描けること】=【世界を作れる】ことなので、
できるだけ大きなものを制作したいと思っています。
また、出版だと判型を気にする必要がありますが、版画の場合はキャンバスを自由にできるので
より、世界観を自由に作れるようになったと感じています。
版画と言えば色ですが、印刷された本や、ディスプレイでもより精度の高いものを使えば
『きれいな発色』をさせることができます。
ただ、版画は刷ったものではなく、そこに世界があるように感じさせてくれるんです。
版画の店舗のキャラクターデザインを依頼されたときに(ミルフィとフラン)、
そのキャラが魔法を使えるという設定にしたのは、版画が魔法のように生まれると
思ったからです。
『絵』を一つの世界として存在させてくれるのが版画なんです。
『ART OF BORN MAGIC』
初出:雑誌『E☆2』2020年4月発売号表紙
アールジュネス店舗のイメージキャラクターのミルフィとフラン
アールジュネスのスタッフに拾われた子猫たちが
魔法の力で少女になった姿が描かれている。
ーてぃんくる先生にとって、作品を版画化して良かったことを教えてください。
僕の理想の世界を具現化してくれるのが版画だと思っています。
作画をするときはモニターを見ながら行いますが、当然、モニターやスペックが違えば見えているものは
違う訳で、たとえデータを直接渡したとしてもパソコンの環境次第で見るものが変わってしまいます。
版画という確固たるものを制作することで、誰が見ても同じクオリティのものを見てもらうことが
できるのは、とてもうれしいです。
作品を作ってから、版画を制作するまでに時間が空くときがありますが
その間にも自分の中の理想の世界は育っていて、版画でそれを再現する
ので、完成形の1つの姿が版画なんです。
2021年12月25日 取材
改めて伺ったてぃんくる先生の版画への想いは我々スタッフも最高の
お手伝いをしなければと思わせていただけるものです。
そのこだわりの一つ一つをご堪能ください!